Eyecatch

去年作った『ブラジルにつながってる穴』を、アメリカの誇る一大フェスイベント・SXSWに出展することになってしまった。結論から言うと、むしろ日本で展示するよりウケた。

Image Clubの作品にブラジルにつながってる穴がある。 芝生に空いている穴に頭を突っ込むと地球の反対側であるブラジルが見えるという、冗談をそのまま実装したような作品だ。

いろいろあってアメリカに

去年(2017年)の10月にほぼ完成して次の月にWebメディアびっくりセールで初めてお披露目させてもらった。 それから一部の変わったメディアに取り上げられるということがあったが、驚いたことにテキサスで開催されるSXSWに出ないか? という打診があった。なんなんだこれは。騙されているんじゃないか? いや、むしろ自分たちが騙してしまっているんじゃないだろうか、悪いことをしてしまった。いや、それとも本当に価値があるヤバいものを作ってしまったんだろうか……だとしたら出ない方が反価値的、ということは世に出すことが僕らの使命なのかもしれない。

SXSWはアメリカテキサス州のオースティンで行われているイベントで、音楽系、映画系、インタラクティブ系の3つの分野に分かれていて、世界中からアイデアを披露したい人が集まってカンファレンスを開いたり、ライブをしたり、展示をしているイベントだ。 中心となる展示会場はあるものの、街中のいたるところにイベントが分散して同時開催されているため全容を把握できる人はいないと思われる。 その中で今回参加したのはインタラクティブ部門のトレードショーという展示会である。

なぜそんな事になったかというと、穴はもともと株式会社レイ rabo の協力があって実装にこぎつけられた作品なので正確には協業作品である。SXSWへはレイが出展するのだが、その展示物の一つとして穴が選ばれたというわけだ。ちなみに僕自身はImage Clubの人でもありレイの社員でもあるが、この記事ではImage Club側の目線で説明する。

出展する穴は、今回は東京と京都の映像を仕込んでおいたので「日本につながってる穴」とした。 穴に頭を突っ込んだら地球の向こう側が見える。簡潔。しかしアイデアどころか冗談でしかない。(大丈夫だろうか…)

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地球を貫通している穴(のつもり)。内側はプロジェクターで映像を出している

いざエンターテイメントの本場、アメリカへ

現地に入るのは僕含めて4人、日程は仕込み日2日間とトレードショー4日間。 ただし僕が参加できるのは展示前半の2日間のみだったため、今までなんとなくやっていた組み立て、調整、撤去をすべて僕以外の人でも扱えるように手順化しなければならない。 プログラムは無駄なインターフェイスを省き扱いやすくした。 鉄のフレームはネジが数十本あって組み立て方にもコツが必要なので、何度か組み立て・調整・バラしを実際に行って現場で困らないように練習した。

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ウェブメディアびっくりセールの時の写真。全てボルト固定だが、意外と精密さが要求される

現地入りしたのは夜だったので仕込みは参加できず、少しだけ周りの様子を見に行った。 SXSW自体はトレードショー前から始まっているのだが、既に街がフェスみたいな感じになっている。

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    祭りの規模がでかい。照明がムーディー。さすがディズニーランドを生んだ国だけある

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    カラーコーンも日本のものより高い

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    街中ではいつも音楽が演奏されており、

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    食べ物は基本タダ。ほぼ「昔の人が考えた天国」だ

穴はアメリカでも通用した

展示。

今回も地面に埋めることはできないので、せめて側面まで芝生で覆ってある。

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一番左のやつが穴

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プロジェクタの焦点距離を稼ぐために内部に4面のミラーを配置している。外から見えない部分が一番フォトジェニック

面白いほど頭を突っ込んでもらえる。 反応は様々だったが見た人よりも見ている人が笑っていることも多く、そこはイメージしていた通りだった。

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    わりと盛況

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    親の後ろ姿を見る子供

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    なぜかVRディスプレイを被ったままの人。英語を勉強したいと思った

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    口をポカーンと開けて見ている人

感想

お客さんは途切れることがなかったが、時間を作って辺りを見てみるとインパクトも押しも強いブースが沢山ある。 特に日本のブースは活気がある。ロボットアームで寿司データから寿司を作っていたり、でかい音が出るオセロがあったり。冗談みたいな試作品にウケていたら実は本気で将来の需要を狙っていたりして驚かされた。

何かすぐに使えるものよりは、むしろ作りかけの試作品や熱い語りがSXSWらしい出し物なのかもしれない。 勢いで出展した割にはウケていたが、出資や協業に積極的な人もたくさん来ていたので、そういう目的で展示を考えていたらそれはそれで面白い展開になっていたかもしれない。

  • 高田徹 (プログラミング、装置製作、出展、文責)
  • 東信伍 (コンセプト、デザイン、装置製作)
  • 時田浩司 (装置製作)
  • 機材・展示協力: 株式会社レイ